猫の炎症性腸疾患(IBD)
猫が慢性的に下痢や軟便を起こす原因の一つには、炎症性腸疾患(IBD)の可能性があります。
炎症性腸疾患(IBD)は、免疫疾患の一つです。
これは、遺伝的な疾患、細菌感染、食物アレルギーなどの複合的な理由から引き起こすと言われています。
猫が炎症性腸疾患になると嘔吐や下痢が慢性的に続き、胃腸の粘膜を傷付ける事で、潰瘍を起こしたり衰弱していくようになります。
炎症性腸疾患は、一般的にはあまり知られていない病名ですが、単に病院で診断を受けていないだけで、実際にはかなりの数の猫がこの病気を患っていると言われています。
もし、下痢、血便、嘔吐、食欲不振などから徐々に痩せてしまった場合には、この炎症性腸疾患を疑う必要があります。
炎症性腸疾患が進行すると、猫は自らの胃腸から栄養分を十分に吸収できなくなり、栄養障害からますます体力を失っていきます。
腸は栄養分や水分を吸収する重要な器官であり、また免疫機能の中枢です。
そのため、細菌やウイルスによってその重要な体の防衛機能を損なわれると、たちまち炎症反応が起き、免疫機能や栄養吸収が損なわれ、本来侵入してこないはずの細菌やウイルスの侵入までも許してしまうため、ますます症状を悪化させてしまいます。
愛猫が辛い下痢や嘔吐に苦しむ前に、食事や生活環境は衛生的に保つように心がけましょう。